【インフレ時代の資産防衛術】50代から考える夫婦2人暮らしの「お金の守り方」

50代といえば、子どもが独立する時期。50代後半には夫婦2人の生活が始まる方もいるのではないでしょうか?

50代になり、子どもが独立して家計に余裕が出てきたと感じる方もいるかもしれません。しかし、数年のうちに定年退職があり、65歳からは年金生活が始まります。それなのに、物価がジワジワと上がり続けるインフレ時代の今、お金の使い方・守り方を見直すことが非常に大切です。特に年金受給が見えてくるこの年代は、「貯める」から「守る・取り崩す」へと家計のステージが変わります。

 

なぜ今、「お金の価値」が下がっているのか?

ここ3年くらい、スーパーで売られている食材や日用雑貨、光熱費、外食費などを見てみると、確実に値上がりしています。それなのに収入が大きく増えた実感は少ない、という方が多いのではないでしょうか?

これは「インフレ」と呼ばれる状態で、お金の価値は目減りしています。たとえば、インフレとは、3年前は100円で売られていたモノが、今では120円で売られるということ。3年前は100円で買えたのに、3年後の今は値上がりしてしまって100円では買えません。これはつまり、お金の価値が下がってしまった、ということ。預貯金でお金が増えていても、将来そのお金で買えるモノやサービスが減ってしまえば、実質的には損をしているのと同じです。

 

現金だけではリスクが高い?

資産を増やす方法といえば預貯金が基本だった日本人は、

「老後が近いのに、投資なんて怖い」

「現金で持っていれば安心」

そう思う方も多いでしょう。ですが、インフレ時代では現金だけに頼るのは、むしろ“リスク”になるかもしれません。メガバンクの普通預金の金利が0.2%、定期預金の金利が0.25%~0.5%と、ほぼ金利がゼロに近かった超低金利時代に比べれば、少しだけ金利が上昇しました。とはいえ、この状況ではお金はなかなか増えていきません。そんななか物価が年2〜3%ずつ上がっていけば、10年後には同じ100万円でも今ほどの価値はなくなってしまいます。

 

安心感を持てる資産の守り方

預貯金とは違い、金利が高くお金を増やしやすいのが、株式や債券、投資信託、不動産、REIT などによる“投資”です。投資は預貯金よりお金が増えやすいのですが、日々価格が変動するので、元本が保証されるわけではありません。しかし、投資は続けることで得られた利益が利益を生むという福利効果があるので、預貯金よりもお金を増やすことができます。また、税制優遇制度である「NISA」や「iDeCo」を活用すれば、利益がそのまま自分の資産になるので、効率的にお金を増やせる可能性があります。

資産を増やすための選択肢

「NISA」

「つみたて投資枠」は年間120万円まで、「成長投資枠」は年間240万円まで、非課税で運用できます。

運用初心者は、リスクを抑える「分散投資」ができる「つみたて投資枠」がおすすめです。時間分散で価格変動リスクを平均化しやすく、1000円程度(ネット証券は100円からできるところも)の少額から積み立てることができます。

 

「iDeCo」

個人型確定拠出年金の「iDeCo」は、税制優遇を受けながら老後資金を準備できます。制度改正で65歳まで加入できるようになりました。月額の掛金に上限額があるので50代から始めると積立期間が短くなりますが、掛金全額が所得控除になるので節税効果が期待できます。

NISA(つみたて投資枠)やiDeCoは投資信託で運用するので元本割れのリスクはありますが、長く続けることでリスクを抑えられます。また、定期預金と併用すれば、半分は元本確保で安心かもしれません。

 

また、以下のような方法もあります。

「個人向け国債(変動10年)」

元本保証でインフレに連動した利率上昇の仕組みがあります。利息が預貯金よりも有利な場合もあります。

 

「バランス型の投資信託」

株・債券・REITを自動で分散してくれる初心者向けの設計になっています。

分散投資では、「日本と海外」「先進国と新興国」「円と海外通貨」などの方法もあります。

また、「投資信託」という商品自体、複数の資産が組み込まれているので、簡単に分散投資ができます。

 

老後資金チェックリスト:今から確認すべき5つのこと

あなたの老後資金は大丈夫ですか?

以下の5つのことを確認してみてください。

(1)現在の生活費を「夫婦2人の生活費」として見直しましたか。

(2)年金見込額と支出の差額を把握していますか。

(3)緊急時に使える生活防衛資金は確保していますか(目安:半年〜1年分)

(4)資産の中に「インフレに強い要素」が入っていますか。(投資も視野に)

(5)少しでも「資産の育て方」を実践していますか(預金以外も含む)

 

インフレ時代に資産を守るために

これから10年は、「備えながら減らさない」ことが何より重要な時期です。必ずやってくる年金生活を不安に思うのは当然ですが、不安を解消するには小さな一歩を踏み出すことが重要です。そして、ご夫婦の家計や価値観に合った“資産防衛術”を見つけることが老後の安心につながります。

また、老後資金や資産の守り方、取り崩し方に不安を感じているなら、「やさしい暮らしの相談室」をご利用ください。投資をしない選択肢も含め、ご自身に合った「守りと育て方」を一緒に整理してみませんか?

 

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