「ねんきん定期便」で将来もらえる年金の見込額をチェック

将来の暮らしに対して不安を抱えている人は少なくありません。それに以前、「老後資金が2,000万円不足する」という数字を国が打ち出したことで、ますます不安になる人が増えました。

でも、不安に思うだけでは、何も解決はしません。
そもそも2,000万円不足というのは、すべての人に共通しているわけではありません。夫婦の働き方、貯蓄状況、理想のライフスタイルによって、不足するお金は違ってきます。

まずは現状を知ることが大事なのです。

まずは家計状況を把握して

あなたは、毎月の家計状況を把握していますか?家計簿を付けて、お金の流れをチェックしていますか?将来の生活を安定させるには、現時点での生活費がどれくらいかかっているのかチェックすることが重要です。

それには家計簿が大いに役立ちます。家計簿を付けることで、月々のお金の流れを把握できるようになります。出費は季節によっても異なります。どんなときに出費が増えるのか、イベントにはどれくらいのお金がかかっているのか、その現状を知ることで、お金の使い方を計画できるようになるのです。また、お金を使い過ぎているとき、原因になっているコトがわかるようになります。家計状況は、未来のお金の使い方をプランニングするのに欠かせない材料になるのです。

毎年届く「ねんきん定期便」を必ずチェック!

毎年誕生月になると、日本年金機構から届く「ねんきん定期便」は、将来もらえる年金の見込額が書いてあります。ただ、書かれている内容は年齢により異なります。

50歳未満の人のねんきん定期便には、今現在の国民年金(厚生年金)の加入実績から計算した年金の見込額が書かれています。もしかしたら書かれている年金額が少なくて驚くかもしれません。でも、仕事を続けて厚生年金に加入し続けると年金見込額は増えていくので安心してください。フリーランスの人は、これまで通り国民年金に加入し続ければ、年金見込額は増えていきます。

50歳以上の人のねんきん定期便には、今の国民年金(厚生年金)の加入を60歳まで続けた場合の年金見込額が書かれています。正確な年金額ではないかもしれませんが、もらえる年金がどれくらいになるのかの目安を知ることができます。年金見込額を知ることで、老後資金の不足分を補うための貯蓄計画が立てやすくなるのではないでしょうか。

「ねんきんネット」を利用すれば年金のもらい方をアレンジした試算ができる

日本年金機構では、個人の年金記録や年金見込額などを見ることができる「ねんきんネット」というサイトを運営しています。これに登録すれば、誰もが利用できるようになります。

ねんきんネットでは、年金記録や年金見込額を知ることができるほか、年金を「繰り下げ受給」して受給額を増やした場合にもらえる年金の試算もできるの便利です。

繰り下げ受給とは、通常65歳からもらう年金の受給開始年齢を66歳から75歳までの間に繰り下げる制度です。1ヶ月単位で繰り下げができて、1ヶ月につき0.7%年金を増額できます。もし70歳まで繰り下げたら42%増額、75歳まで繰り下げたら84%増額となります。また、もらえる年金は、誰もがもらえる「老齢基礎年金」と、会社員や公務員がもらえる「老齢厚生年金」があり、繰り下げ受給はどちらか一方の年金だけを繰り下げることもできるのです。どのように年金をもらうのがいいのか、ねんきんネットで試算してみてもよいですね。

また、マイナンバーカードを持っている人は、行政手続きのオンラインサイト「マイナポータル」が利用できます。マイナポータルでは、診療や薬剤などの医療費情報や公金受取口座の登録、引っ越しの際の転出・転入届、確定申告の事前準備などの行政手続きができます。また、このマイナポータルは、ねんきんネットと連携できるのをご存じですか?連携させれば、行政手続きのほか、年金見込額などの確認もできるのでおすすめです。

生活費と年金見込額をチェックして今から貯蓄計画を

年金だけに頼る生活は厳しいのが現状です。そのため、生活費の不足分を貯蓄で補う必要があります。普段の生活費の目安と年金見込額がわかれば、不足する分の目安がわかるので、貯蓄計画が立てやすくなります。

貯蓄は、できれば投資も併用してみましょう。つみたてNISA(2024年からはNISAのつみたて投資枠)なら、少額ずつ積み立てながら無理なく投資ができます。月々の貯蓄分の一部をつみたてNISAに変えてみてもよいでしょう。
また、老後資金の貯蓄として「iDeCo(イデコ)」を利用するのもおすすめです。掛金全額が所得控除になり、運用益も非課税になるのでお得です。また、給付金を受け取るときにも税制優遇が受けられます。
つみたてNISAもiDeCoも内容をよく確認したうえで、自分に合っている方法を利用してみてはいかがでしょうか?

何よりも大事なのは、家計状況の把握と、年金見込額を知ることです。誕生月には必ず「ねんきん定期便」を確認してくださいね。

 

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